「これってもしかして合コンだよね?」

「ううん。男女が交流をする食事会」

「つまり合コンだよね」

「……はい」

 ようやくゆかりが認めたところで私は盛大にため息を吐いた。

「合コンなら合コンだってなんでハッキリと言ってくれなかったのよ」

「だって行ったら来ないでしょ、めぐみは」

「まぁ、そうだけど」

 合コン嫌いだし。たしかにはっきりと言われたら来なかった。そうだよ、本当なら来なかったのに騙されて来てしまった。

「帰る」

「ダメ! 待って、帰らないで」

 戻ろうとする私をゆかりが追いかけてきて左腕にしがみついてきた。

「めぐみも今はフリーなんだし参加するぐらいいいじゃん」

「やだ。帰る」

「そんなこと言わないでさ」

 捕まれた腕をずるずると引かれて結局また合コン会場の個室のすぐ前まで連れ戻されてしまった。

「たまにはいいじゃん合コンも! 気分転換だと思えば」

 そう言ってにっこりと笑うゆかりに反論しようと開いた口を大人しく閉じた。もう言葉が出てこないし、きっと何を言ってもムダだ。こうなったゆかりはもう止められない。

 はぁ、と心の中で深いため息をつき私は諦めることにした。