でも、今日久しぶりに会った由貴ちゃんはいつもの由貴ちゃんでホッとした。

　まだ私は由貴ちゃんの幼馴染みでいいらしい。それと同時にあの言葉の意味が気になった。由貴ちゃんはどういう気持ちであんなことを言ったのだろう。

｢私はいつか由貴ちゃんの幼馴染みじゃなくなるのかな……｣

　夜空を見上げていた視線を地面に落としながらふとこぼした言葉に、隣を歩く由貴ちゃんがなぜか突然慌てた様子を見せ始める。

｢えっ、あ、いや、違う。違うから。めぐ誤解してる。そうじゃなくて、めぐはずっと俺の幼馴染だから。あっ、でもそうじゃなくて……｣

　後半に行くにつれてだんだんと声のボリュームを下げながら、由貴ちゃんは困ったように頬をかいた。

｢いつまでも幼馴染じゃないっていう言葉は、めぐが思っているような意味で言ったんじゃないから｣

｢じゃあどういう意味？｣

｢それは、えっと……｣

　すぐに聞き返すと、由貴ちゃんは言いづらそうに口を閉じてしまった。けれどしばらくするとまるで何か迷いが吹っ切れたような表情で続きの言葉を口にした。