イケメンの幼馴染がいることの何がいいのかはよくわからないもののとりあえず笑いながら頷いた。すると、店主がとんでもない提案をしてくる。

「付き合っちゃえよ」

「は？」

「え？」

　思わず由貴ちゃんと声が重なって、ふたりで同時に顔を見合わせる。それを見た店主が楽しそうに笑い出した。

「あんたらお似合いだって。な？　付き合っちゃえよ」

　ガハハハと豪快に笑うにぎやかな店主の声が店内に響いている。

　この人かなりノリが軽い。どうして初対面のこの人に付き合っちゃえよなんて言われないといけないのだろう。でも、不思議と嫌悪感がないのは、やっぱりこの店主の陽気な性格のせいかもしれない。

　店主は勝手なことを言うだけ言って「ほら、冷める前に早く食べな」とテーブルの上の串焼き盛り合わせをすすめると、他の席の客の注文を聞きに行ってしまった。

「とりあえず食べようか」

「だね」

　由貴ちゃんに言われて、私はお皿に盛られた串焼きに手を伸ばす。まずはやっぱり大好きなつくねから。由貴ちゃんはねぎまを手に取った。ふたりどうに口に入れる。

「うん！　おいしいね」

「だろ？」

　それから私が頼んだほくほくじゃがいものチーズ乗せも運ばれてきたので、さっそく食べてみる。