一日に何度も今いる場所の確認をされて、証拠の写メを送るように言ってくるような人だった。それが嫌で別れを切り出したらストーカーされるようになり、こわくてどうしようもなくて最終的に由貴ちゃんに助けを求めた。

　そうしたら、由貴ちゃんが束縛ストーカー男と一対一で話をつけてくれた。どんな話し合いになったのかはわからないけれど、それから束縛ストーカー男の姿は見なくなって、私の日常に平穏が戻った。

　そんなことがあったから、次にお付き合いする人はしっかりと見極めて慎重に判断しようと思っていたはずなのに。どうやら私は学習能力が低いらしい。

　次の相手は、結婚を約束している本命の彼女がいるにも関わらず、平気で別の女性とも付き合えてしまう最低な二股男。私は真剣に付き合っていたはずなのに、森谷君にとって私は初めからただの浮気相手に過ぎなかった。

　どうして気が付かなかったんだろう。本当に自分が情けない。

「ねぇ、めぐみ」

　箸を持ったまま項垂れていると、隣からゆかりの声が聞こえて顔を上げる。

「なに？」

「あのさ、ずっと気になっていたんだけど。めぐみにはあんなにイケメンなうえに大企業勤務の素敵な幼馴染がそばにいるのに、どうして他の男と付き合うの？」

「えっ。それって由貴ちゃんのこと？」

　たずねると、ゆかりはこくんと大きく頷いた。