楽し気に話していると目鼻立ちがはっきりとした、いかにも沖縄の少女といった女の子が顔を出した。おばさんの娘の山田りなだ。
ハルカ達に気づくと、眉間にしわを寄せ
「はっ。ハルカ、なんでここにいるば?」
「飯食いにきただけじゃん」
「ハルカが来たらよ、やかましくて、かなわんさぁ」
「食ったら、すぐ帰るよ」
軽快なやりとりに仲がいいのだなと眺めていると、リナが視線をハナの方に向けるので、ハルカが「ハナちゃん。山田と同い年だから、仲良くしろよ」と紹介した。
「高木葉凪です。同い年なんだ。よろしくね」と挨拶する。
はっきりものを言う感じの子だったせいか、なんとなく姿勢が伸びた。
でも夏休みが明けたら、同じ学校に通うことになる同級生だし。仲良くなれたらいいなとどこかワクワクする。
「こいつ、山田ね」 とハルカ。
「リナ。山田で呼ぶのハルカくらいよ。弟もいるからよ、山田で呼ばれたらでー(とても)紛らわしい」
「ハルカがリナの弟と同級生なんだ。二人でよくダンスしてる」とカイリが言う。
そういえばダンスが好きだと言ってたことを思い出す。リナの弟と一緒にやっているようだ。
「こんな島で踊ってるのハルカと健くらいさ」と呆れたように肩をすくめた。