緒方龍彦は自分の腹部を囮にして真白の腕を掴んだのだった。

緒方龍彦は雄叫びのような声をあげて、真白の顔面目掛けて頭突きを振り下ろす。

ゴォォォと、風を切る音が真白の耳元で響いた。

間一髪の所で、顔面への直撃をかわすも頭突きは真白の肩をもろに直撃した。

普段無表情の真白の顔が痛みで歪んだ。

両膝をついた真白にもたれかかったままの緒方龍彦の姿がそこにあった。

「大丈夫ですか？」

セシリーは真白に気遣いの言葉をかける。

「ええ、凄く痛かったですけど大丈夫です、それよりもこの彼をどうにかしてくれませんか？」と、レッドヒーローズのメンバーの面々を見渡した。