セシリーには他人の痛みを感じとる特殊能力があった。それは生まれつきのもので、遺伝でもあった。共感覚と言うべき超能力なのかもしれない。

分類では言えばテレパシーと言うところだろう。

ただし、全ての人とリンクするわけではない。

桜井南の思いが届いたのはあくまでも偶然か毎日、この洋館に彼女が思いを寄せていたためだろう。

それか・・・・・・・セシリー自身が桜井南に興味を持っているからかもしれない。

セシリーが桜井南に興味を持つのは至極当然の事なのかもしれない。

セシリーにとって同年代で毎日、こちらに興味を持っていると言う事は嬉しいという感情を芽生えさせるには充分だった。

セシリーの心は弱弱しく不安定な一面があるのを金糸の少年は知っていた。