「だけどよ、電話かかってきたんだ！どう考えたって－♪～♪～」


また、着信音が鳴り響く。慶太は、恐る恐る電話に出た。


『ｻﾞァ…もしもし？今ね、○橋の上にいるの…ﾌﾟｰﾌﾟー』


またもや短い言葉だけを伝え、電話は直ぐにきれた。


「…な、なぁ、やっぱり、そうだって」


「いや、新手のストーカーだな」


陽一は、まだメリーさんの存在を信じてない。


《♪～♪～》


電話がかかってきたので、慶太から携帯を取り上げ、今度は陽一が電話にでる。


『ｻﾞァ…もしもし？今ね、○○商店街の近くにいるの…ﾌﾟｰﾌﾟー』


「…おい、だんだんこっちに近づいてきてないか？」


「当たり前だろ。ストーカーだからな。何回も言わせるな」


陽一は、さっきから同じ事を言ってくる慶太に苛立ちを覚え始める。


「だから、ストーカーじゃない－♪～♪～」


慶太の言葉を遮りる様に、電話がかかってきた。慶太は、ゴクリと生唾を飲み込みながら、恐る恐る電話にでる。


『ｻﾞァ…もしもし？今ね、○バス停の近くにいるの…ﾌﾟｰﾌﾟー』


「も、も、もう、近くまで、き、き、来てるぞ…」


慶太は、メリーの一言に全身の血の気がひいていくのを感じる。そして、顔を青ざめながら、言葉を必死に絞り出し、陽一に訴えかけた。