『…それは分からないわ。その事を知っているのは、ボスと副ボス。そして、その人間を連れてきた幽霊のみ。私の場合、貴方が初めてだから分からないのよ』


「ふーん…」


陽一は理解したが、やはり実感が湧かず変な気分になってしまう。


今から会うボスの想像がつかず、教えられる対策も何なのか、頭の中でもやもやとする。


『着いたわよ』


メリーが陽一の前に立っているので、前が見えず陽一は体をずらして前を見る。そこには、霊結石と同じ翡翠色の大きなドアが立っていた。


メリーは陽一の方に振り向き、実体化ブレスレットと同じ金色のドアノブを握る。


『ようこそ、G.S.Sへ』


メリーがドアを引き、陽一を未知なる世界へと誘(いざな)う--。



「すげぇ…」


陽一は目の前の光景に驚愕する。


中は、広く、壁は白を基調に、模様は有名画家が描いた様な黄緑で美しく描かれている。床は、奥深い茶色が使われている。上を見上げればシャンデリアが部屋を照らす。


陽一は、高級な洋館に泊まりに来ている様な感覚になる。