「古池ッ!」
陽一は、地面に倒れている古池に駆け寄る。
「おい!しっかりしろ!」
軽く頬を叩くが、古池から反応がない。陽一は、最悪の事態を想像し、体から血の気が引いていく。
一方、メリーは古池の体を冷静に見つめている。
『大丈夫。頭を打って気絶しているだけよ。治療をするから下がって』
「頼む」
今この場で、古池を救えるのはメリーしかいない。陽一は、メリーに古池を託した。
『リョウ、ルナ!』
『ワン!』
『にゃあー!』
「うおぉッ?!」
メリーの掛け声と共に、ワンピースの大きなポケットから子猫と子犬が飛び出してきて、陽一は驚いて大きな声を出す。
『リョウ。治療して』
『ワンっ!』
パステルオレンジの毛並みをしたリョウと呼ばれる子犬は、古池の頭を両手で触る。
すると、温かい光が古池を優しく包み込む。
『次、ルナ。お願い』
『にゃッ!にゃにゃにゃ~』
ピンクの三毛の子猫は、雨乞いに似たような踊りを始める。
なんか踊り出した--!
『にゃん、にゃっにゃっにゃんーーー!』
踊りが終わり、両手を空にかざす。
何を召喚したんだ-?!
陽一から見れば、ルナの踊りは怪しい儀式にしか見えないため、何かを召還したかの様に見えてしまっている。