異世界転生したのに最弱の僕が前世で唯一得意だった料理を武器に異世界生活始めます

「大変だよ! 近くで野生のスライムが暴れている。イブキも手伝ってくれ! 」

食堂で朝の片付けをルシアしていたら、よく食べに来てくれるレオンさんに呼ばれた。

「手伝うのはいいですけど、僕治癒魔法位しかできませんよ?」

「それでもいいんだよ! 教会が大変なんだ」

ルシアも着いてきてくれて、教会へ到着すると街中にいるより少し大きなスライムが教会を壊していた。

シスター達や子供達が次々に外へ避難している。

「なんでこのスライム赤いんですか?」

「知るかよ! 街にいるスライムは青いけれどこの子達は赤いんだよ」


助けに来たみんなは、どうしていいか分からずに、立ち往生。

「ねえ、なにか怒ってるんじゃない?」

ルシアが言うと、剣を持った人が「どうして」と疑問を問いかけた。

「だって赤いじゃん。怒ってるから赤くなってて、何かを伝えたいから壊してるんじゃない?」

治癒魔法が少し使えるので、僕はスライムを倒すというよりは怪我をしたシスター達を回復している。

「嬢ちゃん、スライムと話せるか?」

「えっ? 急に言われても……でもやってみるね!」

ルシアは何も武器を持たないまま、スライムの所へ向かった。

「ルシア気をつけてねっ!」

僕の声が聞こえたのか、右手を上にあげ、手を振った。

ルシアが近づくと教会への攻撃を辞め、ルシアに一斉に飛びかかる。

みんな武器を構え攻撃しようとした時、ルシアは叫んだ。

「攻撃はダメ! このスライム達は悪くない!」

その言葉を聞いてみんな武器をおろした。

「嬢ちゃん、何かわかったのか」

「この子達が集めた木の実を人間が奪ったから腹いせにって言ってる」

「嬢ちゃん、スライムと話せるのか?」

「うん!」

このままではスライムの怒りは収まらない。

どうしよう。

食べ物の恨みは1番恐ろしいけれど……

「あ、あのぉ」

「どうした、イブキ」

「集めた木の実が無くなったならきっとお腹も空いてるはずです。よければ何か作りましょうか? もしかしたらお腹いっぱいになったら怒りも収まるかも」


「イブキ、それはいい提案ね!」

「僕、準備してきます! 誰か手伝って欲しいのですが」

「私たちがお手伝いします!」

「お願いします。では、炊き出しをしたいので準備を頼んでもいいですか?」

「はい!」


急いで食堂に戻り、大きい鍋と朝の残った白米を運ぶ。

いつもより多めに炊いといて良かった。
食材は、周りのお店の協力の元沢山の材料が。

「では、おにぎりと豚汁を作ります」

鍋に水と豚汁の材料を入れる。

ルシアはスライム達を引き止めている。

おにぎりについては周りの人に作り方を説明し、僕は豚汁作りに専念。

みんな楽しそうにおにぎりを握っている。

「イブキ、こんな感じでいいか?」

「ちょっと大きいけれど美味しそう!」

「イブキ〜! マリンがつまみ食いした!」

「マリンちゃんつまみ食いはダメ〜」

「は〜い」

さっきまで緊張していた空気はどこにもなく、笑顔で溢れている。

大きな鍋で作る豚汁は思ったより大変。

おにぎりと豚汁が完成すると、ルシアに運んでもらった。


スライム達も手伝ってくれた人達もみんなもぐもぐと食べている。

「みて! スライムの色がいつもの色に変わったよ!」

「ほんとだ!」

「やったぁ!」

スライムもいつも通りに戻って、一安心。

「イブキ、スライムさん達が美味しいって喜んでるよ!」

「それは良かった」

満腹になったスライム達は元の場所に戻って行った。

片付けをみんなでし、教会の修理を始めた。

「ルシアってスライムと話せたんだね」

「私はすごい人だからね!」

「まさか、神様とか?」

「秘密!」

ルシアは謎の女の子だと改めて感じた。

「イブキ! ほんとに助かったよありがとう!」

「レオンさん。僕は何も。ただ料理をしただけですし」

「それが凄いんだよ。それよりいつも思ってたんだか、イブキの作るご飯はなんでこんなに不思議なんだ?この街では食べたことの無いメニューだらけだ」

「僕の故郷のメニューなんですよ」

「それはいいな。故郷を大切にする男はモテるぞ!」

「モテた事ないですけれど……」

「それは、残念だな」

お互い笑いながら、最後は別れた。

今日は久しぶりに唐揚げでも作ろうかな?

いつかお寿司も皆に食べさせてあげたいな。

「イブキ? 帰ろ?」

「そうだね。夜の準備しないと」

「うん!」























翌朝起きると、食堂ドアの前に沢山の木の実が置いてあった。
「もう知らない!」

気まずいことに、修羅場に遭遇してしまいました。

「あの、落ち着いてください。他のお客さんもいますので……」

「うるさい!」

12歳で成人となるこの街。13歳の双子の兄弟は2人でダンジョンに挑んいでいるみたい。

「ギルがいつもノロマだからだろ!」

「兄さんが早すぎるの! いつもいつも先に行っちゃって」

朝から喧嘩は流石に気になり、みんなが止めに入ったが喧嘩が止むことはなかった。

「もういい! もう勝手にしろ!」

飛び出して行ったお兄さん。

弟さんは涙を流すのを堪えていた。

「あの……大丈夫ですか?」

「ごめんなさい、うるさくして」

「僕達は平気だけど、大丈夫なの? お兄さん出て行っちゃったけど」

「大丈夫……じゃないです」

「ですよね……」

「いいんじゃない、たまには。別に喧嘩したことない兄弟なんて居ないだろうし」

ルシアがフォローしている。

「兄弟は喧嘩してお互いの気持ちを知るの。言い合い位どうってことないわ。早く仲直りしてきなさいよ」

「それが出来れば僕だって……」

「はぁ。イブキと一緒にスイーツでも作って持って行ったら?」

「マカロン……兄さんはマカロンが好き」

「じゃあイブキとマカロン作ったらいいじゃない!」

「イブキさん。お願いできますか?」

「良いですよ! でも材料を揃えないといけないので少し出かけないといけないけど」

「じゃあ私が片付けしとくからいってらっしゃいよ!」

「ルシアありがとう。ギルさん、準備してくるので待っててください」

「ほんとにありがとうございます」
アーモンドプードルとグラニュー糖がないのでそれは必ず買って帰る。

「ギルさん、ここら辺に着色料って売ってますか?」

「チャクショクリウ?」

反応を見た感じ存在しないのかな?

着色料の代わりになるものを探さないといけないけれど、悩んでいる時間はない。

チョコレート? 抹茶?

「今回は、抹茶のマカロンにしよう!」

「マッチャ? なんですかそれ」

「完成してからのお楽しみですよ!」

買い物はギルさんがお店を教えてくれスムーズに出来た。

食堂に戻ると、道具を準備してくれたルシア。

「ギルさんは卵白を泡立ててくれない? ルシアはバターをポマード状になるまで混ぜてくれる? その後に砂糖を加えてまた混ぜて?」

「「了解!」」

卵白のツノがたったら、3分の1のグラニュー糖を加え、泡立ててもらう。

「腕が痛い!」

ギルさんが言いながら僕は「頑張れ!」と応援。

泡立て器がここにはないから、ケーキ作ったりするのは腕が辛い。

2回目、3回目とグラニュー糖を入れ、アーモンドプードルを振るいにかけながら入れ、抹茶を入れる。

優しく均等に抹茶の色がつくまで混ぜる。

「じゃあ、均等の大きさにしぼってね」

「わかった!」

しぼっている間に、ルシアの様子を見ると、「私もしぼりたい」という顔をしていた。

「あとは僕もやるから、ルシアもしぼるのお願いしていい?」

「うん!」

一応多めに作ってあるから後でみんなに食べてもらおう。

バターと砂糖がよく混ざっているので、抹茶を加え混ぜる。

分離をしないか心配しながら牛乳を入れる。

「終わったよ!」

「僕も終わった!」

190度で2分。その後に100度で8分。オーブンで焼く。

「喜んでもらえるといいね!」

「うん。抹茶って初めて聞いたけれど、すごく綺麗な色をしてるし大丈夫だと思う」

「イブキ! 抹茶ってなんなの?」

「僕の故郷の伝統的な文化……かな?」

「なんか不思議な文化だね」

「そうかな?」

僕にとっては、ヨーロッパの方が不思議な文化だと思うけどと思ったが、口には絶対にしてはいけない。

出来上がりのタイマーの音が聞こえたので、オーブンの蓋を開けると、とっても美味しそうな香り。

さっき作ったクリームをみんなで挟み、オシャレな袋にラッピング。

「出来た! 兄さん喜んで貰えるかな?」

「大丈夫! よく頑張ったじゃない!」

「大丈夫だよ。でもどこに行ったか分かるの?」

「それは大丈夫。GPSがあるから」

この世界にGPSがあるんじゃ、泡立て器もあってもいいような?
ギルさんの後をついて行き、お兄さんを見つけると僕達は隠れた。

ギリギリ会話が聞こえる。

「兄さん、さっきはごめんなさい。マカロン作ったから一緒に食べよう?」

「俺こそごめん、言い過ぎたよ。マカロン作ったのか?」

「あの食堂の人たちと作ったんだよ! 抹茶味」

「マッチャ? お、美味しい!」

「良かった!」

無事に仲直りできたみたいで良かった。

ギルさんは僕らの隠れていたところにお兄さんを連れてきた。

「本当にありがとうございました。何とお礼をしていいか」

「全然気にしないでください。それより仲直り出来て良かったですね」

「ええ。マカロン、とっても美味しかったです」

「それは良かった」

2人とも笑顔で僕らとお別れをした。

「良かったね!」

「そうだね」

「それより私も食べたい!」

「戻ったら食べようね」

「うん!」

スキップをしながら帰るルシア。

「なんかテンション低くない? 顔色も悪いし」

「なのね、僕は別に体調不良とかじゃないの。元々そういう肌色です。ただ……」

「ただ?」

「和菓子が食べたくなってさ」

「そんなことか。心配して損した!」

「僕にとっては重要な問題なの!」

お団子が食べたい。いちご大福が食べたい。

マカロンも同じスイーツだけど、和菓子とはまた違う甘さ。

「じゃあ作ればいいじゃないの?」

「作るったって、流石に和菓子までは作れないよ」

「洋菓子作れるんなら大丈夫!それに私、凄いもの持ってるから!」

そう言って、あの不思議な鞄からひとつの本を出した。

『和菓子の作り方』

表紙にはそう書かれていた。

「いつも頑張ってくれてるからそのご褒美!」

「あ…ありがとう」

僕の目からは涙が流れた。

「泣くほど嬉しいの?」

「うん。泣くほど嬉しい!」

「ほら、みんな心配しちゃうから早く泣き止んでよ!」

「ごめんごめん」

ルシアからの突然のプレゼントはとっても嬉しい物で、レシピ本を頼りに五家宝を作ろう。


食堂に置いていたマカロンはアルビナさんが半分食べていた。

「これ私のなのに!」

「とっても美味しいから止まらなくて」

「ルシア、急いで食べなくてもまた作ってあげるから!」

食い意地の張っているルシアは今日も口いっぱいに食べ物を詰めている。

「イブキ! ちょっと助けて!」

「どうしたの?」

「野生のオークがお腹空かせて暴れ始めて大変なんだ!」

「この街の野生の子達はお腹が空くと暴れ出すのか……ルシア準備だ!」

「了解!!」
マカロンの作り方

材料(20個分)

卵白 40g
グラニュー糖 40g
アーモンドプードル 40g
砂糖 40g
抹茶 5g
バター30g
牛乳10g
砂糖 30g
抹茶2g

作り方
1、ボウルで卵白をツノが立つまで混ぜる。

2、グラニュー糖を3回に分けながらボウルが逆さまにしても落ちてこない程度の硬さにする。

3、アーモンドプードルと抹茶を振るいで振るいながら入れる。

4、優しく混ぜながら均等に混ざるまで混ぜる。

5、絞り袋に入れ、均等の大きさになるように絞る。

6、190度で2分、100度で8分オーブンで焼く。

7、待っている間に、クリームをつくる。
  バターを常温に戻しておく。

8、ポマード状になるまで混ぜ、砂糖を加える。

9、よく混ぜ終わったら、抹茶を加える、色が均等になるようにする。

10、分離しないように気をつけながら牛乳を入れ、混ぜる。

11、オーブンから取りだし冷ましたあと、クリームを挟む。
ここまで読んでくださりありがとうございました!


ここに書いてあるメニューのレシピは全て私の母が教えてくれたレシピです。

オーブンなど、メーカーによっては書いてある時間だと焦げてしまったり、逆にまだ生だったりするので、気をつけながら作ってみてくださいね!

必ず生ではないことを確認してください。


私もイブキの様にもっと料理が上手くなりたいです。
シュークリームとか作ってみたいと思うのですがなかなか道具がが揃わなくて……
頑張って揃えます!


これからもマイペースに活動出来たらいいなと思うので、よろしくお願いします。

2020.07 桜野瑞音

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