異世界転生したのに最弱の僕が前世で唯一得意だった料理を武器に異世界生活始めます

アーモンドプードルとグラニュー糖がないのでそれは必ず買って帰る。

「ギルさん、ここら辺に着色料って売ってますか?」

「チャクショクリウ?」

反応を見た感じ存在しないのかな?

着色料の代わりになるものを探さないといけないけれど、悩んでいる時間はない。

チョコレート? 抹茶?

「今回は、抹茶のマカロンにしよう!」

「マッチャ? なんですかそれ」

「完成してからのお楽しみですよ!」

買い物はギルさんがお店を教えてくれスムーズに出来た。

食堂に戻ると、道具を準備してくれたルシア。

「ギルさんは卵白を泡立ててくれない? ルシアはバターをポマード状になるまで混ぜてくれる? その後に砂糖を加えてまた混ぜて?」

「「了解!」」

卵白のツノがたったら、3分の1のグラニュー糖を加え、泡立ててもらう。

「腕が痛い!」

ギルさんが言いながら僕は「頑張れ!」と応援。

泡立て器がここにはないから、ケーキ作ったりするのは腕が辛い。

2回目、3回目とグラニュー糖を入れ、アーモンドプードルを振るいにかけながら入れ、抹茶を入れる。

優しく均等に抹茶の色がつくまで混ぜる。

「じゃあ、均等の大きさにしぼってね」

「わかった!」

しぼっている間に、ルシアの様子を見ると、「私もしぼりたい」という顔をしていた。

「あとは僕もやるから、ルシアもしぼるのお願いしていい?」

「うん!」

一応多めに作ってあるから後でみんなに食べてもらおう。

バターと砂糖がよく混ざっているので、抹茶を加え混ぜる。

分離をしないか心配しながら牛乳を入れる。

「終わったよ!」

「僕も終わった!」

190度で2分。その後に100度で8分。オーブンで焼く。

「喜んでもらえるといいね!」

「うん。抹茶って初めて聞いたけれど、すごく綺麗な色をしてるし大丈夫だと思う」

「イブキ! 抹茶ってなんなの?」

「僕の故郷の伝統的な文化……かな?」

「なんか不思議な文化だね」

「そうかな?」

僕にとっては、ヨーロッパの方が不思議な文化だと思うけどと思ったが、口には絶対にしてはいけない。

出来上がりのタイマーの音が聞こえたので、オーブンの蓋を開けると、とっても美味しそうな香り。

さっき作ったクリームをみんなで挟み、オシャレな袋にラッピング。

「出来た! 兄さん喜んで貰えるかな?」

「大丈夫! よく頑張ったじゃない!」

「大丈夫だよ。でもどこに行ったか分かるの?」

「それは大丈夫。GPSがあるから」

この世界にGPSがあるんじゃ、泡立て器もあってもいいような?