第一章 「自覚」
今日も今日とてぼっちの俺は、登校するなりお気に入りのライトノベルを読み、一人、別世界に入り浸っていた。
周りからは視線を感じる。なんだろう? 
もしかして、好意か? それとも、好奇か?
恐らく、後者だろう。まず、俺に好意の視線を向けるやつなんていない。
いたのなら余程の物好きだろう。
俺は、周りの視線の意味に気づけなかった。
若しかするとこの時点で俺の人生における選択は誤っていたのだろうか?
スクールカーストトップの美少女や、イケメン達が楽しそうに談笑している。それを見ているとまるで、「お前とは住む世界が違う」と思い知らされているような気さえしてくる。それほどに彼らは輝いていた。
俺は、陰キャだ。だが、リア充を嫌うようなタチの悪いやつではない。と、思う。もしや、これも俺の思い違いか?