「もう時間─︎─︎碧?」
「もう少し……っ、一緒にいたい……」
「……少しだけ、な」
柊は立ち上がったけどもう一度座った。これが、今日が最後だ。
「これ、プレゼント……私だと思って持っていて」
私は彼の誕生日にと、組紐で髪を結う紐を作っていて数日前完成できたもの。
もう、渡せないかもしれないから毎日持ち歩いていた。
「……碧?」
「やっぱり私、行くね……いらなかったら捨てて」
柊が何かを言っていたが、その声は聞こえないフリをして家へと走った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…