「そっか、明日は……きっといい日になるよ」
そう緩い口調で言う柊は……鬼だ。そして鬼神の息子である彼は、お互いにとって敵同士のはずだが彼は能力を持っていながら優しすぎて悪さは出来ない特殊すぎる鬼なのだ。
無能な私と悪さをしたくない柊は仲良くなるのにとても時間はとても、かかった。はじめは……それはもう、言い合いばかりだったんだけど。
『私は羨ましい……柊は力があるんだもん。私には、ないもん』
『力なんて、俺はいらないよ。悪さをする力なんかいらねーな』
けれどそんな言い合いを続けたが、家の不満を言い合ううちに共通点を見つけた……私たちはあの家にいる場所がない、ってこと。