《名無し:杉本雄大、このサイト見てるらしいぞ!》


《匿名希望:本人降臨しちゃう!》


《ねこちゃん:これほど悪口を書かれている気分はどうですかぁ?》


画面に踊る悪意の数は日に日に増して行った。


「おい、そんなもの見るなって」


トイレで1人でスマホを確認していた俺に、朝日が声をかけてきた。


「なんでだよ。これ、教えてきたのはお前だろ」


「そうだけど、それは見かねて教えただけで……」


朝日は顔をしかめて呟くような声で言う。


わかってる。


朝日は悪くない。


でも、できれはこんなサイト知らないまま生活していたかった。


今日はどんなことを書かれているのか、毎日朝起きた瞬間に気になってしまうのだ。


どれだけサイトを確認してみたって、誰がどの言葉を書き込んだのかわかるわけではない。


そう理解していても、チェックせずにはいられなくなってしまっていた。