悪口なんて見たら自分の気分が悪くなるだけだ。


口の中でブツブツと文句を言いながら、俺はしぶしぶ画面に視線を落とした。


そこに踊っている文字を見た瞬間、俺は「えっ」と呟き、すべての時間が停止した気持ちになった。


《名無し:杉本雄大最低! 女子のお腹にサッカーボールを当てる!》


《ねこちゃん:なにそれ最低!》


《名無し:サッカー下手すぎ。人傷つけるならやるなよ》


《ねこちゃん:女の子のお腹の中には大切なものが沢山入ってるんだよ》


《匿名希望:そうだそうだ! 杉本雄大を死刑に!》


ズラリと並ぶ俺にあてた誹謗中傷に体が凍りついてしまった。


「なんだよこれ……」


「書き込んでいるのが誰かはわからないけど、たぶん雄大のことを知らない連中も混ざってると思う」