今から半年前、その日は体育の授業でサッカーをしていたんだ。
グラウンドは男女兼用で使用していて、あちこちに砂埃が立っている。
サッカー部の連中は本気でボールを追いかけ、真剣に声を掛け合っている。
これが授業だということも忘れて、試合さながらの緊張感まで肌で感じていた。
その熱気に後押しされるように、俺はボールをドリブルしながら敵の陣地へと走った。
足の速さには自信があったから、誰もついて来られないようダッシュをかける。
そんな俺に追いついてきたヤツが1人だけいた。
陸上部のナオヤだ。
さすがにナオヤの足は段違いに速く、あっという間に真後ろまで追い付いてきた。
ナオヤの足音が近づいてくるにつれて焦りが増していくが、ゴールはまだ遠い。
コート内の仲間に視線を送ると、パスを送るように指示を出しているのが見えた。
ナオヤを巻くことは難しいとみんな思っているようだ。
しかし、俺は走りながらパスを出すのが一番の苦手だった。
いつも蹴っ飛ばしたボールはあらぬ方向を向いて飛んで行ってしまう。
今は全力で走っているから、余計に方向感覚が鈍ることはわかっていた。
グラウンドは男女兼用で使用していて、あちこちに砂埃が立っている。
サッカー部の連中は本気でボールを追いかけ、真剣に声を掛け合っている。
これが授業だということも忘れて、試合さながらの緊張感まで肌で感じていた。
その熱気に後押しされるように、俺はボールをドリブルしながら敵の陣地へと走った。
足の速さには自信があったから、誰もついて来られないようダッシュをかける。
そんな俺に追いついてきたヤツが1人だけいた。
陸上部のナオヤだ。
さすがにナオヤの足は段違いに速く、あっという間に真後ろまで追い付いてきた。
ナオヤの足音が近づいてくるにつれて焦りが増していくが、ゴールはまだ遠い。
コート内の仲間に視線を送ると、パスを送るように指示を出しているのが見えた。
ナオヤを巻くことは難しいとみんな思っているようだ。
しかし、俺は走りながらパスを出すのが一番の苦手だった。
いつも蹴っ飛ばしたボールはあらぬ方向を向いて飛んで行ってしまう。
今は全力で走っているから、余計に方向感覚が鈍ることはわかっていた。