「さっさと出せばいいんだよ」


少年Aはゴールドカードを奪い取る。


「こ、今回でもう終わりにしてくれるんだよね?」


少年Bが怯えた表情で聞く。


その目には涙が滲んでいて、少年Aに逆らえないのがよくわかった。


「あぁ。今日のところはな」


少年Bの言葉に少年Aは笑みを浮かべてそう答えた。


少年Bは一瞬にして青ざめる。


「約束が違うだろ! 親のカードを持ってくればもう関わらないって言ったじゃないか!」


「そんなこといつ、誰が約束したんだよ」


少年Aは大きな体で少年Bを見下ろして言う。


「だって……。もう終りだと思ったから持ってきたのに!」


「知らなねぇなぁ?」


「それじゃ、カードを返してよ!」


少年Bは青ざめてはいるが、懸命にカードを取り返そうとする。


しかし、2人は身長差がありすぎた。


少年Aはカードを持った手を空へと伸ばして、取れないようにしている。


少年Bが必死にジャンプをしているのを見てニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。