「言わないよ」


自分の声がひどく震えてしまう。


「……お金を……もらってるの」


その言葉に全身が冷たくなっていくのがわかった。


お金のやりとりがったのを目撃してしまっているから分かっていたことなのに、違うと言ってほしかったのだ。


「どう……して? どうしてそんなことをするの!?」


つい、声が大きくなってしまう。


あたしの知っているアユカはそんなことする子じゃない。


間違ってもただ金銭が欲しいだけで体を売るようなことはしない!


「聞いて陽菜」


アユカはあたしの両腕を痛いほど掴み、どうしてこうなったのか、いきさつを説明し始めたのだった……。