グルグルと思い悩んでいた時、不意にアユカが立ち止まった。


あたしは隠れる暇もなく、何かに気がついたようにアユカが振り向いたのだ。


あたしはその場から動くことも逃げることもできなかった。


「陽菜……どうしてここにいるの?」


アユカが青ざめて聞く。


「えっと……」


あたしはどう返事をすればいいかわからず、うつむいてしまった。


「もしかして、あたしの後を付いてきたの!?」


「ご、ごめん! アユカ、今日はなんだか様子がおかしかったから……」


もうごまかすことはできなかった。


あたしは泣いてしまいそうになりながら、アユカへ向けて頭を下げる。


「どうして尾行なんてするの!?」


「だって……」


そっと顔を上げると、青ざめた顔のアユカも泣いてしまいそうになっている。