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今では魂取りの仕事に慣れてきたあたしだけれど、最初からこんなに上手に仕事ができていたわけじゃなかった。


魂取りの仕事初日は本当に緊張したし、うまくいく保証だってなかった。


あれは1年前。


あたしが高校に入学してすぐのころのことだった。


「学校の先生みんな中途半端だったねぇ」


登校途中、あたしの横を歩きながら残念そうに言ったのはアユカだった。


アユカは入学前からイケメンの先生がいたら禁断の恋がしたい! と豪語して張り切っていたのだけれど、入学してみたら若い男性教師は1人もおらず、心底ガッカリしているのだ。


「どうしてアユカは生徒と付き合おうとしないの?」


「だって、学生と付き合ってもつまんないじゃん! 社会人ならお金も車も持ってるし!」


そう言い切るアユカにあたしは苦笑いを浮かべた。


社会人全員がそうであるとは限らないのに。


「アユカはどういう視点で男を見てんの」


呆れてそう言った時だった。


スーツ姿の男があたしたちの横を通り過ぎて行った。