その後あたしが生まれ、ひょんなことから他人の汚れが見える魂取りの能力を持っていると周囲にバレてしまった。


かくして、あたしは幼い頃から魂取りの仕事を教え込まれ、現在にいたるのだ。


お父さんはあたしの嫌みにも気がつく様子がなく、大好きな野球チームが勝ったことで機嫌がいい。


「明日のご飯なに?」


「雄大君はなにが食べたい?」


当たり前のように繰り広げられる会話。


「ちょっとおかしいでしょ、なんで明日も来る予定にしてるの!?」


「だっておばさんの料理美味しいし」


「いくらでも食べに来てね? だけどお母さんの間違いでしょう?」


「そうだったね、お母さん」


ヘラヘラとゆるい空気が流れるダイニングに、あたしは盛大な溜息を吐きだしたのだった。