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その後、あたしは笠丘寺へやってきて、すべての出来事を叔父さんに話して聞かせた。


「そうか。勝弘がそんなことを……」


勝弘とは平山先生の下の名前だ。


「叔父さんは平山先生のことよく知ってるの?」


「もちろん。あいつも魂取りの血を受け継いでいるからな。ただ、その能力はお前には劣る。それに加えて修行もしてこなかったから、ほとんど一般人と同じだ。それでも、魂を取られまいとしてお前の手を跳ね返していたんだろうな」


叔父さんは顎をさすりながら難しい表情でそう言った。


「勝弘のことはこっちに任せて、お前はゆっくり休みなさい」


「うん。ごめんね、今回は失敗しちゃって」


「なにを言ってるんだ。お前はよくやった。今回みたいな無茶はもうしないようにな」


叔父さんの言葉にあたしは素直に頷いた。


「最後に1つ質問があるんだけど、雄大のことどう思う?」


聞くと、叔父さんはやわらかく微笑んだ。


「雄大君の感情は順調に戻ってきているみたいだよ。お前が一緒にいてやりなさい。そうすれば近い未来元通りになるだろう」