「あたしのために、来てくれたの?」


その質問に雄大は頷く。


「よく美術室にいるってわかったわねぇ」


保険の先生は関心したように言う。


「陽菜たちの話を……聞いていたから」


そう言われて、あたしは教室の中で雄大へ話しかけたりしていたことを思い出した。


なにも聞こえていないと思っていたけれど、雄大にはしっかりと届いていたのだ。