「俺の汚れを無理やり取るつもりだったのか?」


「どうしてそれを……」


緊張で口のなかはカラカラに乾燥していた。


「魂取りの仕事をしている笠丘寺は俺の親戚筋だ。知らなかったのか?」


そんな……!


それじゃ、あたしと平山先生も遠い親戚だっていうの!?


「魂を取られた人間がどうなるかもよく知ってる。お前はそれを俺にしようとしたんだろ?」


平山先生の鋭い視線があたしを射抜く。


冷酷で、人を傷つけることをなんとも感じていないような視線に咄嗟に命の危険を感じた。


「やめて! 離して!!」


「お前をここから出すわけにはいかない。いつまた魂を狙われるかわからないかなら」


平山先生はそう言ってあたしの数珠をわしづかみにした。


「やめて!!」


数珠がなければ魂取りができない!


平山先生に勝てる確率がゼロになってしまう……!