あたしは途中まで描いた入部届けを投げ出して、平山先生に近づいた。


今すぐこの顔を殴り倒してやりたい。


そんな気持ちをどうにか押し込めて、ほほ笑む。


「たとえば、どうやって指導してくれるんですか」


小首をかしげて質問すると、平山先生はすぐにニヤケた表情を浮かべた。


「なんだ、今すぐにでも指導してほしいのか? それなら回りくどいことせずに言えばいいのに」


平山先生の手があたしの腰へ延びる。


その瞬間、あたしは平山先生と距離をつめ、その胸に右手をかざしていた。


あたしの右手が平山先生の胸に入り込み、先生は動きを止めた。


鼻を伸ばしきった表情で焦点が合わなくなっている。


あたしは右手に力を込めて平山先生の胸の奥へと入れる。


しかし、次の瞬間。


あたしの右手は跳ね返され、その勢いで尻もちをついていた。


驚いて平山先生を見ると、穴のあいた胸が修復されていくのだ。


「なにこれ……」