☆☆☆
向かう先は美術室だった。
平山先生が残っているかどうかわからなかったけれど、足を止めずに真っすぐ部活棟へ向かう。
美術室の前まで来ると、電気が消えているのがわかった。
やっぱり、もう帰ってしまっているだろうか。
ドアに手をかけてもしっかりと施錠がされていた。
「先生、いませんか?」
念のために声をかけてみると、中からドアの開閉音が聞こえてきた。
今のは美術準備室から誰かが出てくる音だ。
あたしは気を引き締めて前方を睨んだ。
「誰だ?」
そう言いながら鍵を開き、平山先生が姿を現した。
その姿は前回見たときよりもさらに黒く塗りつぶされている。
あたしは一歩後退し、先生の胸に集中した。
どす黒い汚れは渦を巻き、黒いモヤを周囲にまき散らしている。
「君はこの前美術室に来ていた子だね」
途端にさわやかで優しい声に変化した。
向かう先は美術室だった。
平山先生が残っているかどうかわからなかったけれど、足を止めずに真っすぐ部活棟へ向かう。
美術室の前まで来ると、電気が消えているのがわかった。
やっぱり、もう帰ってしまっているだろうか。
ドアに手をかけてもしっかりと施錠がされていた。
「先生、いませんか?」
念のために声をかけてみると、中からドアの開閉音が聞こえてきた。
今のは美術準備室から誰かが出てくる音だ。
あたしは気を引き締めて前方を睨んだ。
「誰だ?」
そう言いながら鍵を開き、平山先生が姿を現した。
その姿は前回見たときよりもさらに黒く塗りつぶされている。
あたしは一歩後退し、先生の胸に集中した。
どす黒い汚れは渦を巻き、黒いモヤを周囲にまき散らしている。
「君はこの前美術室に来ていた子だね」
途端にさわやかで優しい声に変化した。