叔父さんは観音様の前で立ち止まると、ピンク色のポーチを開けた。
途端に中から真っ黒なモヤがブワリと空中へ溢れだす。
それは悲痛な叫び声をあげて講堂の中を駆け巡る。
おおぉぉぉぉぉぉぉ……と、声にならない声が鼓膜を揺るがす。
この声は何度聞いても慣れることがなかった。
汚れた魂が元の体に戻りたがっているのだ。
しかし、いくら講堂の中を上に下にと駆けまわっても、戻るべき場所はない。
モヤはひとしきり飛び回った後、しぶしぶというように叔父さんの前に戻ってきた。
「なんだ。以外とききわけのいい魂じゃないか」
叔父さんは口元に笑みを浮かべてそう言うと、数珠をはめた右手をモヤにかざした。
「汚れた魂よ。観音様の元へ行くがいい!」
心臓を揺さぶるような声で叔父さんが言った瞬間、観音様の後輩が黒い光を放ち始めた。
途端に中から真っ黒なモヤがブワリと空中へ溢れだす。
それは悲痛な叫び声をあげて講堂の中を駆け巡る。
おおぉぉぉぉぉぉぉ……と、声にならない声が鼓膜を揺るがす。
この声は何度聞いても慣れることがなかった。
汚れた魂が元の体に戻りたがっているのだ。
しかし、いくら講堂の中を上に下にと駆けまわっても、戻るべき場所はない。
モヤはひとしきり飛び回った後、しぶしぶというように叔父さんの前に戻ってきた。
「なんだ。以外とききわけのいい魂じゃないか」
叔父さんは口元に笑みを浮かべてそう言うと、数珠をはめた右手をモヤにかざした。
「汚れた魂よ。観音様の元へ行くがいい!」
心臓を揺さぶるような声で叔父さんが言った瞬間、観音様の後輩が黒い光を放ち始めた。