☆☆☆
「お役に立てなくてごめんなさい……」
玄関先であたしはユマちゃんのお母さんに頭を下げていた。
あれから20分ほど経過していたが、結局ナオヤは来なかったのだ。
自分の無力さが情けなくて、そして悲しかった。
あたしには魂取りという能力が備わっているのに、今回は誰のことも救えていない。
「気にしないで。来てくれて嬉しかったわ。ありがとう」
ユマちゃんのお母さんは笑顔でそう言ってくれる。
その笑顔を見るのが、また苦しかった。
「それじゃ……」
後ろ髪をひかれる思いで玄関から出た時だった。
不意に誰かとぶつかって足を止めていた。
「お役に立てなくてごめんなさい……」
玄関先であたしはユマちゃんのお母さんに頭を下げていた。
あれから20分ほど経過していたが、結局ナオヤは来なかったのだ。
自分の無力さが情けなくて、そして悲しかった。
あたしには魂取りという能力が備わっているのに、今回は誰のことも救えていない。
「気にしないで。来てくれて嬉しかったわ。ありがとう」
ユマちゃんのお母さんは笑顔でそう言ってくれる。
その笑顔を見るのが、また苦しかった。
「それじゃ……」
後ろ髪をひかれる思いで玄関から出た時だった。
不意に誰かとぶつかって足を止めていた。