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一体ユマちゃんになにが起こったのか、あたしにはわからないままだった。


だけどユマちゃんは平山先生の名前を出した瞬間に発狂して、気絶までしてしまった。


そしてもう1つ。


ユマちゃんの心は汚れていなかったのだ。


平山先生と関係を持っていたと思われる美術部の女子生徒たちは一様に胸がグレーになっていた。


でも、ユマちゃんにはその変化が見られなかったのだ。


「どういうこと……?」


ユマちゃんの家にリビングで、あたしは頭を抱えて呟いた。


ユマちゃんのお母さんがユマちゃんが目覚めるまでいてもいいと言ってくれたから甘えているのだけれど、目が覚めたときにちゃんと会話ができるかどうかも怪しかった。


とにかく、ユマちゃんは今ナオヤと話をしたがっている。


それを叶えてあげたかった。


「これからナオヤに連絡を入れてもいいですか?」


ちょうどお茶を持ってきてくれたユマちゃんのお母さんにそう質問をした。