「ナ、ナオヤは元気だよ。連絡取れないんだっけ?」


「そうなの。ナオヤと連絡が取れなくなったの」


ユマちゃんはブツブツと呟くように言う。


その様子は明らかにおかしかった。


「謝るって、平山先生とのことだよね? ユマちゃんはやっぱり、平山先生のことが好きだったの?」


聞いた瞬間、ユマちゃんの顔が蒼くなった。


目を大きく見開いて呼吸も止めている。


「ユマちゃん……?」


眉を寄せてユマちゃんの肩をつかんだ次の瞬間、甲高い悲鳴が聞こえてきていた。


家を揺さぶるような悲鳴に、咄嗟に両耳をふさぐ。


「ユマ、どうしたの!?」


悲鳴に驚いたユマちゃんのお母さんが駆けつけたとき、ユマちゃんは糸が切れた人形のように崩れ落ちていたのだった……。