☆☆☆

その足でやってきたのはユマの家だった。


ユマは懸命に先生のことをかばっているけれど、先生の凶行を止めるためにはちゃんと公にしてほしかった。


ユマにとってもキツイことだとわかっているけれど、どんな形でもいいから協力してほしかったのだ。


前回と同じようにチャイムを鳴らすとユマのお母さんが出てきてくれた。


「また来てくれたのね。でもごめんなさい、ユマはまだ誰にも会いたくないの」


申し訳なさそうにそう言われても、引き下がる気はなかった。


「ユマちゃんの部屋に案内してもらえませんか? ドアの外からでもいいから、会話がしたいんです。どうしても、必要なことなんです!」


そう言い、深く頭を下げる。


「そんなに頭を下げないで。ドアの外から会話ができるかどうかわからないけど、それでもいいの?」


あたしは大きく頷いた。


確かにユマが返事をしてくれるという確証はどこにもない。


それでも、あたしにできることはこれくらいしかないんだ。


「わかったわ。案内するから、どうぞ上がって」


ユマの部屋は二階の奥の部屋にあった。


昼間はずっと部屋にこもりっぱなしで、夜中になると起き出してトイレや食事をしているらしい。