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汚れた魂を取ったあたしはその足で近所のお寺へ向かった。


「叔父さ~ん! 今日も仕事がんばってきたよぉ!」


元気よく声をかけて境内を奥へと入っていく。


あたしの声に気がついた作務衣姿の白髪の男性が境内の奥から姿を現した。


「陽菜ちゃん、今日も元気だねぇ」


叔父さんは眩しそうに目を細めてあたしを見る。


きっと、金色に染めたあたしの髪が太陽に照らされて光っているのだろう。


叔父さんはそれを見て『まるで後光が差しているようだ』と、よく口にしている。


「あたしは元気だけが取り柄だからね!」


そう言い、鞄の中からピンク色のポーチを取り出して叔父さんに手渡した。


手の中のポーチは相変わらずドクンドクンと脈打っている。


「これはまた元気な魂だな」


「今日の相手は中学生だよ。汚れも元気で活発なんだよ」


それからあたしは叔父さんに今日の出来事について大まかな説明をした。


「ふむ。最近ゲームセンターでタムロしている学生がいると噂には聞いていたよ。でも、魂が汚れるほど悪事を続けていたとは思っていなかった」


叔父さんは真剣な表情で言う。