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「ねぇ雄大。今日は風が気持ちいいよ?」
教室に戻り、あたしはすぐに雄大へ話しかけた。
窓の外から入ってくる風は雄大の前髪を揺らしている。
「やっぱり、雄大のせいじゃなかったよ。雄大がイジメられていたのは、裏で糸を引く人間がいたからなの」
真相を説明しても、雄大は表情を変えなかった。
普段なら大喜びをして『ほらな! 俺のせいじゃないんだって!』と、はしゃぎまわるところなのに、雄大は前を向いて座っているだけ。
「でもね、謎はすべて解けたわけじゃないの。問題はユマちゃんの相手が誰なのかってこと。この騒動でも相手は出てきていないみたいだし、ユマちゃん自身も黙ってるんだって」
普通、自分の相手が流産しかけたとなるとほっておかないはずだ。
それを無視できるほど冷酷な人間がいるということに、嫌な気分になった。
「ねぇ、雄大どう思う?」
そう聞いた時だった。
突然廊下から女子たちの黄色い悲鳴が聞こえてきてあたしは振り向いた。
何事だろうと首をかしげて廊下へ向かうと、複数の女子生徒が1人の先生を取り囲んでいるのが見えた。
「ねぇ雄大。今日は風が気持ちいいよ?」
教室に戻り、あたしはすぐに雄大へ話しかけた。
窓の外から入ってくる風は雄大の前髪を揺らしている。
「やっぱり、雄大のせいじゃなかったよ。雄大がイジメられていたのは、裏で糸を引く人間がいたからなの」
真相を説明しても、雄大は表情を変えなかった。
普段なら大喜びをして『ほらな! 俺のせいじゃないんだって!』と、はしゃぎまわるところなのに、雄大は前を向いて座っているだけ。
「でもね、謎はすべて解けたわけじゃないの。問題はユマちゃんの相手が誰なのかってこと。この騒動でも相手は出てきていないみたいだし、ユマちゃん自身も黙ってるんだって」
普通、自分の相手が流産しかけたとなるとほっておかないはずだ。
それを無視できるほど冷酷な人間がいるということに、嫌な気分になった。
「ねぇ、雄大どう思う?」
そう聞いた時だった。
突然廊下から女子たちの黄色い悲鳴が聞こえてきてあたしは振り向いた。
何事だろうと首をかしげて廊下へ向かうと、複数の女子生徒が1人の先生を取り囲んでいるのが見えた。