おおかた話し終えたナオヤは大きく息を吐きだした。


「それからも俺は時々、イジメをエスカレートさせるようなことをサイトに書き込んだ。全部、憂さ晴らしのためだ……」


「そうだったんだね」


アユカが小さな声で呟く。


やっぱりイジメの原因は雄大にはなかったのだ。


そのことに安堵しつつも、1人の女子生徒の妊娠のせいでここまで人の人生を狂わせてしまう事実に背筋が寒くなった。


「結局、ユマちゃんの相手が誰なのかわからないんだよね?」


あたしの質問にナオヤは頷いた。


「心当たり、なにもないの?」


アユカが聞いても結果は同じ。


ユマちゃんは巧妙に隠して、別の相手と付き合っていたとしか思えなかった。


これ以上ナオヤを引きとめていても、新しい情報は得られそうになかったのだった。