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お寺へ向かって雄大の魂を叔父さんに渡したあと、あたしとアユカは近くのファミレスに来ていた。


アユカは紅茶を一口飲んで気分を落ち着けてからあたしを見据える。


「さっきのはなんだったの?」


アユカは魂取りの瞬間は見ていないが、その後雄大がからっぽになってしまったのは知っている。


文字通り魂が抜けてしまった状態で、あたしの指示に従って家に帰って行った。


「アユカは魂取りって知ってる?」


「たまどり?」


「そう。魂を取るって書くの」


あたしが説明するとアユカは「知らない」と、左右に首を振った。


「魂取りはあたしの家で代々続く伝統のある仕事なの。だけどあたしのお父さんにはその能力がなくて、代わりにあたしが受け継ぐことになった」


アユカは真剣な表情であたしの説明を聞いている。


基本的には他言してはいけない仕事だけれど、アユカには伝えなければいけないことだった。