あたしは震える手をポケットに手を入れて、数珠を装着した。


あたしは魂取りだ。


今から仕事をしなきゃいけない。


そうしなきゃ、雄大はこの先大きな悪事を犯す可能性があるから……。


そう分かっていても、涙があふれ出した。


数珠をはめた右手を雄大の胸に押し当てる。


雄大はされるがままで、口元には安堵したような微笑まで浮かべていた。


これから自分がなにをされるのかわかっているくせに。


それでもほほ笑むことができるくらい、雄大の心は壊されていたのだ。


「陽菜、何をするの?」