「あっ!」


思わず声を上げてしまい、慌てて身を引っ込めた。


幸い2人とも気がついていないようだ。


「熱っ!!」


頬にタバコを押し付けられた少年Bは顔をしかめ、少年Aから身を離してしまった。


「くそったれが!」


少年Aはそう毒づくと、もう用事は終わったとでも言うように少年Bに背を向けて歩き出す。


残された少年Bはその場に呆然と立ち尽くしているが、少年Aの後を追いかけようとはしない。


この場で少年Aが来るのをずっと待っていたところから考えてみても、2人の間には見えない主従関係が出来上がっていることは明白だった。


この少年Bは少年Aに逆らうことができないよう、徹底的にイジメ抜かれてきたのだろう。


あたしはそんな少年Bに軽く視線を送ると、少年Aを追いかけて歩き出したのだった。