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「雄大、その鼻どうしたの?」


どうにか授業に参加して俺は、陽菜にそんな心配をされた。


俺は苦笑いを浮かべて適当な嘘でごまかした。


幼馴染の陽菜を心配させたくはなかった。


でも……。


今思い出してみても、あの植木鉢は俺を狙って落とされたもので間違いなさそうだった。


鼻先に触れてみると、血はもう止まっている。


しかし、体の小さな震えはいつまでも続いていたのだった。