そして生活の方もめちゃくちゃになった。
今までなら、平日の時間帯に沿って学校へ行く生活をしていたが、最近は行かない日が増え、ずっと寝ているようになった。
食事も不規則で、食べる物はお菓子ばかりだし、身だしなみも最低限に揃える程度。風呂こそは毎日入っているが、髪は乾かさない。
加えて、洗濯も掃除もしたがらなくなったから、まとめて僕が一緒にやっている。
これじゃまるで、お世話係だ。
「どうなってんだよ、本当」
通学路、自転車を漕ぎながら呟く。
いつもじゃ綺麗な夕焼けも、最近は不気味に感じてしまう。
誰もいない街。僕らしかいない街。
そうであった筈なのに、今は僕しかいない街だ。
一人だけ、一人ぼっちの、世界だ。
「…………さむ」
途端に風が吹く。
冷たい、肌を刺激する風。
暑くもなく、寒くもない筈の街に吹く、冷えた空気。
いつ振りだろう、気温を気にしたのは。
「あ、今日は金曜か。音楽どうすっかなぁ」
夢前があんな調子になって以来、学校での過ごし方も大分変化してきている。
教科書を広げてれば何とかなる国語、数学、社会辺りはいいが、家庭科、音楽等の複数名で想定されている実技教科は、完全に手に負えない。
事実、家庭科と音楽に至っては、移動教室もせずぼんやりしてるだけだ。
以前より学校の意味をなしてない。
まだ、夢前に音楽や家庭科辺りを教えてもらえてた時の方が、明らかに有意義だった。
今は、無意味でしかない。
「……」
学校に着く。
いつからだろう、校門には何も書かれてない立ち看板のような物が置いてあった。
誰かがやった気配もないし、もちろん僕は手を付けてない。
おそらく夢前も。
だからそれに気付いた時も、最初からあったんじゃなかってくらいの感覚だった。唐突に現われたというより、そこにあったのを思い出したかのような感じ。
校舎に入る。下駄箱に入っている上履きがどこか寂しい。一人取り残されているようだ。
あいつ一人いないだけで、古くさい校舎内も相まって、廃校になってまったかのような気がする。
――僕と夢前が通う学校。
学校名、自分のクラス、出席番号、その辺り何も覚えてないのだが、僕らは確かにここに通っていた。
今もこうして、生活リズムを忘れないようにという名目で。
「……ん?」
今までなら、平日の時間帯に沿って学校へ行く生活をしていたが、最近は行かない日が増え、ずっと寝ているようになった。
食事も不規則で、食べる物はお菓子ばかりだし、身だしなみも最低限に揃える程度。風呂こそは毎日入っているが、髪は乾かさない。
加えて、洗濯も掃除もしたがらなくなったから、まとめて僕が一緒にやっている。
これじゃまるで、お世話係だ。
「どうなってんだよ、本当」
通学路、自転車を漕ぎながら呟く。
いつもじゃ綺麗な夕焼けも、最近は不気味に感じてしまう。
誰もいない街。僕らしかいない街。
そうであった筈なのに、今は僕しかいない街だ。
一人だけ、一人ぼっちの、世界だ。
「…………さむ」
途端に風が吹く。
冷たい、肌を刺激する風。
暑くもなく、寒くもない筈の街に吹く、冷えた空気。
いつ振りだろう、気温を気にしたのは。
「あ、今日は金曜か。音楽どうすっかなぁ」
夢前があんな調子になって以来、学校での過ごし方も大分変化してきている。
教科書を広げてれば何とかなる国語、数学、社会辺りはいいが、家庭科、音楽等の複数名で想定されている実技教科は、完全に手に負えない。
事実、家庭科と音楽に至っては、移動教室もせずぼんやりしてるだけだ。
以前より学校の意味をなしてない。
まだ、夢前に音楽や家庭科辺りを教えてもらえてた時の方が、明らかに有意義だった。
今は、無意味でしかない。
「……」
学校に着く。
いつからだろう、校門には何も書かれてない立ち看板のような物が置いてあった。
誰かがやった気配もないし、もちろん僕は手を付けてない。
おそらく夢前も。
だからそれに気付いた時も、最初からあったんじゃなかってくらいの感覚だった。唐突に現われたというより、そこにあったのを思い出したかのような感じ。
校舎に入る。下駄箱に入っている上履きがどこか寂しい。一人取り残されているようだ。
あいつ一人いないだけで、古くさい校舎内も相まって、廃校になってまったかのような気がする。
――僕と夢前が通う学校。
学校名、自分のクラス、出席番号、その辺り何も覚えてないのだが、僕らは確かにここに通っていた。
今もこうして、生活リズムを忘れないようにという名目で。
「……ん?」