最終話 ついに冴えないオレにも春が来た

 オレは今っ自分史上で最っ高にハッピーだあ!!

 やったあ彼女が出来た!



 オレと詩音さんは絵本研究部の買い出しに二人で初めて行った日から付き合っている。

 

 はあ……だがきっとこの子を逃したらオレは一生独りだろう。

 嫌われたくない。

 

 きっと二度と彼女はできない。

 なぜならオレは勉強が出来ない。

 運動もからっきしダメで顔も普通以下な冴えない男だからだ。

 

 親友のものすごいイケメンで頭よし性格良しの和正はモテまくっているが、オレは違う。



 オレはずうっと詩音さんを大事にする。

 こんなオレを好きだと言ってくれる彼女を大切にしたい。

 

 そしてオレには楽しみが一つ増えたんだ。

 

 絵本作家になりたいと思う。

 

 夢も希望もなかったオレが絵本研究部に入って詩音さんと両想いになれた。

 そして夢を持てた。

 

 勉強してオレは将来子どもたちに夢を与えられる絵本を描きたい。

 落ち込んでる人を元気づけられる絵本を描きたい。



 テーマは愛だ。



 今は弱虫で取り柄のないネズミを主人公にした絵本を描いている。



 そのネズミのモデルはオレだ。




 彼女は言ってくれる。

 冴えないオレに詩音さんは「君のことを一番大好きなファンは私だよ」っていつでも囁ささやいてくれるんだ。




 そうそうオレと詩音さんが付き合ったんで同じクラスの長杉が悔しがってるって聞いた。

 ハッハッハ。うらやましいだろ。

 まあ、長杉。お前にもいつか春が来るさ。



             おしまい♪