学校についた瞬間、
「じゃ」
と、颯爽と香月くんの隣から離れた。


教室に早歩きで向かい、
目当ての人を見つけて駆け寄る。


「よっちゃん!!」

「おはよう、麻。」

「おはようぅ」


よっちゃんはくっつく私の頭をポンポンと撫でた。


「あつっくるしいわ!」

「ひどいっ!」


よっちゃんは私の顔を見て、眉を下げた。


「麻…泣いた?」

「えへへ…」

「麻…最近どうしたの?
私が協力できるならなんでもするよ?」

「うん…。」


よっちゃんは本当に優しい。

香月くんは騙せても、
よっちゃんは騙しきれないな…

圧し殺してきた気持ちを話す
良い機会かもしれない。


「麻?」

「よっちゃん、昼休み空き教室でごはん食べない?」

「いいけど…」

「ありがとう。」


ちょうどチャイムが鳴り、
先生が教室に入ってきた。


信じてくれてもくれなくても、
よっちゃんはきっと私に協力してくれる。

優しくて大好きな私の親友だもん。


私は怖さと期待、半分半分で午前の授業を受けた。