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「おはよう、麻!」

「よっちゃん…おはよ。」


うつむきながら歩く私の顔を覗き込むのは、
高校の同じクラスで親友の"よっちゃん"こと
四谷優香(よつたにゆうか)


「顔色悪いよ?大丈夫?」

うう…よっちゃんの優しさが疲れた心に染み渡る…

「うん…。ありがと、よっちゃん。」


いつものように校門をくぐり、
いつものように1年2組の教室に入る。

自分の席に着き、一番前の席で友達と
楽しそうに話している夢に出てきた人を見た。



香月信乃(かづきしの)

サッカー部ですでにレギュラー入りしてて、
しかも成績よい、顔もかっこいいとあって、
女子には隠れファンが多い。

ファンクラブとかできるみたいな目立ったモテ方はしないけど、
隠れファンは大抵本気で恋してる感じ。

ま、私は話したこともないし
もちろん好きとかじゃない。


私の名前は七瀬麻(ななせあさ)

成績フツー、部活も入ってない、
スタイルフツー、顔も多分フツー。

陰キャでもパリピでもない一般的女子高生。


そんなザ・平民な私に今日
フツーじゃないことが起きた。


予知夢…


そんな非現実的な現実にごくりと唾を飲んだ。