「・・・結衣、雪緒となんかあった?」
なんか最近、仲良いから。そう言ってさっちゃんはりんごジュースのストローを加える。
「別に何もないよ。」
「嘘だね。」
「・・・ほんとは秘密。」
「え~、なにそれ。」
一瞬で嘘を見ぬかれた私、さっちゃんに嘘はつけない。あやし~、とからかうように笑った彼女をつつき返せば隣から視線を感じて。
「・・・なに?」
「・・・・・・別に。」
かなりの間の後にそうだけ答えた春原くん。絶対に別に、じゃない間だった。もう一度どうしたの、と問う前に彼は腕を伸ばして机に寝そべってしまう。あら、珍しい。机には突っ伏さないのがマイルールのはずのなのに。まあ寝てはいないけど。
「秋山さん。ちょっといい?」
噂をすれば、とさっちゃんが呟く。私を手招きした雪緒くんは目線で場所を変えたがっているのが分かって、そのまま廊下へと向かった。
チラリと振り返ればやはり春原くんがジーッとこちらを見ている。手を振ればべーっと舌を出された。なんでだ。
休日の遊園地は賑わっていた。まだ少し風は肌寒くて、上着着てくればよかったなあなんて少し後悔。
入園口の自販機のそばで立っていれば、少し小走りで近づいた人が私を見つけて手を上げる。
「ごめん、お待たせ!」
「・・・うわあ、隣歩きたくない」
「一言目辛辣すぎない?」
「最大級に褒めています」
少しダボっとしたズボンに真っ白のノーカラーのシャツ、日差しが彼の綺麗な金髪を透かしていて、うーん、こういうシンプルな格好が引くほど似合う。既に周りの人の視線(主に女の子)の視線を集め始めていて、非常に場違い。隣に並びたくない(失礼。)
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼は私の手を引っ張って。
「ほら!行こう!」
「わっ・・・ちょっと待って・・・!」
「うわ~~!!すごーい!!」
遊園地の中に入れば雪緒くんは瞳を輝かせて歓声を上げた。ねえねえあれ乗りたい!あああれも!これも!!そう言って彼は既にはしゃいでいる。
「あ!あとであそこのクレープも食べたい!」
「いいね。あ!あそこたい焼きも売ってるよ!」
「本当だ。色んな味があるのね、珍しい~」
「・・・なんか雪緒くんみてたら私もテンション上がってきちゃった。」
雪緒くん、日本の遊園地は幼い頃に一度だけ行った事があって、戻ってきたら絶対にもう一度行きたいと思っていたらしい。私も遊園地なんて何年ぶりだろう。
だって、とだけ言って彼は少し恥ずかしそうに下を向く。
「・・・ゆいゆいは、こっちに来て初めてできた友達だから。」
「・・・はあ?可愛いんだけど?何なの?」
「なんでキレるの?」
いけない、この前も可愛すぎてキレてしまったばかりなのに。反省します。
少し顔を赤らめた雪緒くんの肩をポンポンと叩いて、よっしゃ楽しむぞー!
ー!なんて2人で拳を突き上げた。
気づけば時間は正午を回っていた。ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴランド、目に付いた気になるものから順番に乗っていけば乗り物にはそんなに弱いはずじゃない私の三半規管は大ダメージだった。
雪緒くんはケロっとしていて、フラフラになっている私を見てケタケタ笑っていた。許さん。
園内にあるカフェでお昼ご飯を食べて、午後は少しゆっくり行動することにした。はしゃぎすぎて疲れさせちゃったかな、ごめんね、なんて雪緒くんは少し眉を下げて。
「こうやって心の底から楽しめるの久々で。」
「何言ってるの。私もすごく楽しいよ、今日誘ってくれてありがとう。」
ね、あれ乗ろう。はやくはやく。そう言ってお化け屋敷を指刺せば、雪緒くんは少し照れたように笑う。
「え〜〜、アタシおばけ苦手。」
「だったら尚更。雪緒くんの弱み握りたいし。」
「それ口に出しちゃっていいの?」
結局お化け屋敷で雪緒くんはそれなりに怖がったものの、なんせ、可愛いのだ。キャーキャー言う姿は弱みなんて感じじゃなくて、むしろ加点。
なんか最近、仲良いから。そう言ってさっちゃんはりんごジュースのストローを加える。
「別に何もないよ。」
「嘘だね。」
「・・・ほんとは秘密。」
「え~、なにそれ。」
一瞬で嘘を見ぬかれた私、さっちゃんに嘘はつけない。あやし~、とからかうように笑った彼女をつつき返せば隣から視線を感じて。
「・・・なに?」
「・・・・・・別に。」
かなりの間の後にそうだけ答えた春原くん。絶対に別に、じゃない間だった。もう一度どうしたの、と問う前に彼は腕を伸ばして机に寝そべってしまう。あら、珍しい。机には突っ伏さないのがマイルールのはずのなのに。まあ寝てはいないけど。
「秋山さん。ちょっといい?」
噂をすれば、とさっちゃんが呟く。私を手招きした雪緒くんは目線で場所を変えたがっているのが分かって、そのまま廊下へと向かった。
チラリと振り返ればやはり春原くんがジーッとこちらを見ている。手を振ればべーっと舌を出された。なんでだ。
休日の遊園地は賑わっていた。まだ少し風は肌寒くて、上着着てくればよかったなあなんて少し後悔。
入園口の自販機のそばで立っていれば、少し小走りで近づいた人が私を見つけて手を上げる。
「ごめん、お待たせ!」
「・・・うわあ、隣歩きたくない」
「一言目辛辣すぎない?」
「最大級に褒めています」
少しダボっとしたズボンに真っ白のノーカラーのシャツ、日差しが彼の綺麗な金髪を透かしていて、うーん、こういうシンプルな格好が引くほど似合う。既に周りの人の視線(主に女の子)の視線を集め始めていて、非常に場違い。隣に並びたくない(失礼。)
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼は私の手を引っ張って。
「ほら!行こう!」
「わっ・・・ちょっと待って・・・!」
「うわ~~!!すごーい!!」
遊園地の中に入れば雪緒くんは瞳を輝かせて歓声を上げた。ねえねえあれ乗りたい!あああれも!これも!!そう言って彼は既にはしゃいでいる。
「あ!あとであそこのクレープも食べたい!」
「いいね。あ!あそこたい焼きも売ってるよ!」
「本当だ。色んな味があるのね、珍しい~」
「・・・なんか雪緒くんみてたら私もテンション上がってきちゃった。」
雪緒くん、日本の遊園地は幼い頃に一度だけ行った事があって、戻ってきたら絶対にもう一度行きたいと思っていたらしい。私も遊園地なんて何年ぶりだろう。
だって、とだけ言って彼は少し恥ずかしそうに下を向く。
「・・・ゆいゆいは、こっちに来て初めてできた友達だから。」
「・・・はあ?可愛いんだけど?何なの?」
「なんでキレるの?」
いけない、この前も可愛すぎてキレてしまったばかりなのに。反省します。
少し顔を赤らめた雪緒くんの肩をポンポンと叩いて、よっしゃ楽しむぞー!
ー!なんて2人で拳を突き上げた。
気づけば時間は正午を回っていた。ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴランド、目に付いた気になるものから順番に乗っていけば乗り物にはそんなに弱いはずじゃない私の三半規管は大ダメージだった。
雪緒くんはケロっとしていて、フラフラになっている私を見てケタケタ笑っていた。許さん。
園内にあるカフェでお昼ご飯を食べて、午後は少しゆっくり行動することにした。はしゃぎすぎて疲れさせちゃったかな、ごめんね、なんて雪緒くんは少し眉を下げて。
「こうやって心の底から楽しめるの久々で。」
「何言ってるの。私もすごく楽しいよ、今日誘ってくれてありがとう。」
ね、あれ乗ろう。はやくはやく。そう言ってお化け屋敷を指刺せば、雪緒くんは少し照れたように笑う。
「え〜〜、アタシおばけ苦手。」
「だったら尚更。雪緒くんの弱み握りたいし。」
「それ口に出しちゃっていいの?」
結局お化け屋敷で雪緒くんはそれなりに怖がったものの、なんせ、可愛いのだ。キャーキャー言う姿は弱みなんて感じじゃなくて、むしろ加点。