一徹は何か察したようで、

「あー…もしかして、ヘルメットの内側でも見たんか?」

「…ヘルメット?」

 あのピンクのヘルメットのことなのであろう。

「そのかつての持ち主が、はるかって名前やったんやけどね」

 いつもなら笑いにして話す一徹の表情に、笑わせようという空気はこのとき、ない。