じゃあまたな、と一徹は帰ろうとした。

「待って」

 泉は一徹の腕を掴んだ。

 思わず振り向いた。

「…」

 気がつくと、泉の顔が目の前にあった。

 泉の唇が、一徹のそれに重なっていたのである。

 離れた。

「今日はありがと」

「…おぅ」

 泉は笑顔で手を振った。