やがて。

 泉が見慣れた地元のコンビニと郵便局が見えてきた。

「このあたりから曲がるん?」

「うん」

 正味三十分ばかりの道だが、住宅街に入ると、幼稚園の脇を抜け、大きなマンションの角を左へ。

 さらに。

 近所で御殿とタクシーの目印代わりになっている茶色の豪邸の角を折れた先に、泉の家はあった。