「嫌いなのに無理してデートすることないよ」

「え、待ってよ。どうしたの?」

「無理して来てもらってごめんね」

あーもう泣きそう。


「別に無理してなんか........」

「うん、ありがとう。帰ろう。俺こっちだから」


じゃあと手を振って静菜ちゃんとわかれる。
俺の家と静菜ちゃんと家が真逆でよかった。
本当なら俺が家まで送って帰るはずだったのに、そんなことできる余裕はなかった。


「チャラい人は嫌いかー........俺チャラいもんなー。きっつ」


いくら俺が今から女の子の誘いを全部ことわったとしても、長く培われた俺がチャラいという事実はなくならないだろう。

初めていままで適当に生きてきたことを後悔した。
初めて、女の子なんて誰でもいいと思っていたことを後悔した。

でもだからっていままで通りにしていたらいつまでも静菜ちゃんには嫌われたままだと思うから。


「もうやめた」

こんな自分、もういらない。
静菜ちゃんにちゃんと向かえるように、もう女の子とも遊ぶのを止めようときめた。
きっと今まで通りみんな俺に寄ってくるだろう。
そこから断っていけばいい、もう好きな子以外に優しくなんてしなければいい。