「ねぇ、今日あたしの家誰もいないから........」

「わかった」


こんなのは日常茶飯事だ。
別に俺の孤独をうめてくれれば誰だってよかった。
別に不幸な生い立ちでもなんでもないし、親はふたりとも医者で何不自由なく生きている。
ただ家に帰っても仕事の忙しい両親が夕飯代を置いているだけで誰もいないからつまんないだけ。
幸い俺は人より顔が良く生まれてきて、なおかつ医者の両親の遺伝子のおかげか成績は悪かったことがない。
俺が笑顔でいれば誰でもついてくるんだって学んだ俺はこの自分をもう変えれないんだと思う。


「凛くんといると本当に自慢になる」

「そうかな?」

「そうだよ、みんな羨ましそうに見てるんだよ」

周りを見渡せばたしかに行き交う生徒たちが羨ましそうにこの隣の女の子のことをみている。
まぁ、自慢になるとかよく言われるけど、俺はブランド品かってツッコミたくなってしまう。
そんな面倒なことはしないけどさ。


「痛いっ」

「あ、ごめん」


面倒だなと思いながら歩いているとすれ違い際にぶつかってしまったようで、尻もちをついている女の子に手をのばす。


「自分で立てる」


手を伸ばしただけですごく嫌な顔をされるなんて経験初めてで出した手を引っ込めれなくなってしまう。