「........んな事言ってねーで、坂口探しに行けって」


哲に無理やり立たされる。


「探してどーすんだよ」

「話せよ、ちゃんと」

「無理。顔みたら話せなくなる」

「わー、凛くん!顔真っ赤!ギャップすごいわー」


李音がクスクスと笑ってる。


「うるせー、黙れ」

「多分中庭に居るからいっておいで」

「うん........」


話すたってどう話したらいいかわからない。
静菜ちゃんを前にすると名前すら呼べなくなってしまう。


「........っ、これだ!」


ハッとなって俺はカバンから1冊のノートとペンを出す。


「ノートとペン?」

「かっこ悪いけど、話せないよりいいからこれに気持ち書いてくる」

「熱意がこもってればどんなんでもいんだよ。頑張れ」

「おう!」


これしかないと思った。
もうこのノートにかけるしかない。
こんなかっこ悪いやり方なんて男らしくなくて呆れるかもしれないけど、それでも伝えたい。
ノートに書くかたちにはなるけど、それでもちゃんと伝えたいから。


「いた」

「........あ」

「李音に聞いた」

「そう........」


静菜ちゃんな俺のことを見ようとはしない。
どうして教室から出ていってしまったのかは分からないけど、俺の言葉が原因だとするなら........なんて自惚れた考えがでてくる。